Photoshopで画像の切り抜き、範囲範囲を作成する方法いろいろと参考になる動画まとめました。

写真加工やWebサイトデザインなどで使用するPhotoshopですが、画像補正やグラフィック作成などの合成処理では、画像の選択範囲を自由に取れるようになるというのがPhotoshopで画像補正や合成を勉強する上での基本となります。

Photoshopを使って画像の切り抜きや選択範囲を取得にはどういう機能を使うのか?

と思う人もいると思います。

しかしこれは決まったツールや使い方というのではなく、使用する写真内の色情報や取得したい選択範囲の内容によってツールの向き不向きがありますので、それぞれの選択範囲の取得方法の特性を理解する必要があります。

今回はPhotoshopで写真の切り抜きや選択範囲を取得するツールの紹介と簡単なポイントを簡単ですがまとめ、あわせて参考になるサイトやADOBE TVの動画などもまとめてみました。

Photoshop初心者の人に向けてまとめていたのですが、選択範囲の取得は結構自分のやりやすい方法を使うとそればかりになってしまうので、いつも自分が使っていない便利な方法を見つけたりしましたので、選択範囲について復習してみようなどと思っている人は是非ご覧ください。

特にCS5以降に追加された「境界線の調整」や「クイック選択ツール」などは今までコツコツやっていた部分が簡単にできちゃいます。

Photoshopで画像を選択するさまざまな方法目次

Photoshopを使っての画像の選択範囲を取得する方法ついては「ツール」パネルに用意されている機能と、メニューからの機能があります。

今回紹介する内容は下記のようになります。

矩形選択ツール(長方形・楕円ツール)

長方形や丸など選択範囲をドラックや上部メニューの「スタイル」のプルダウンからサイズを指定して取ることができます。ただし、こちらでは写真の選択範囲を自由に取るということは難しいです。

矩形選択ツールのポイント

  • 正方形や正円などを作成する場合はShiftキーを押しながらドラックします。
  • 中心から選択範囲をとる場合はAltキーを押しながらドラックします。
  • ドラック中にSpaceキーを押すと選択範囲の位置を調整できます。

選択範囲は次にドラックすると前に取得した選択範囲は消えてしまいますので、選択範囲を追加したい場合はShiftキーを押しながらドラックで選択範囲の追加され、部分的に選択範囲を削除したい場合はAltキーを押しながらドラックで削除になります。

選択範囲を削除したい場合にはCtrl+Dで「選択範囲を削除」を覚えましょう。

参考になるサイト・動画

ADOBE TV:長方形/楕円形選択ツール

なげなわ、多角形選択、マグネット選択ツール

  • なげなわツール:フリーハンドでドラックした部分が選択される。
  • 多角形選択ツール:クリック間を直線上に選択される。
  • マグネット選択ツール:ドラックすると画像の中の境界にあわせて自動的に選択される。

自由にドラックやクリック間をつないだり、画像のコントラスト部分を自動的に取得してくれるツールとなりますが、完全にこれだけで綺麗に選択範囲を取得することは難しいので、「クイックマスク」や「境界線を調整」と併用するとよいでしょう。

なげなわ、多角形選択、マグネット選択ツールのポイント

  • なげなわ、多角形は最後にダブルクリックした部分と開始点が自動的に直線上に結ばれる
  • マグネットツールはうまく選択点がつかない場合は、クリックすることで任意に選択点が追加されます。
  • マグネットツールは間違えて選択点がついた場合はBackSpaceキーを削除することができます。

参考になるサイト・動画

ADOBE TV:なげなわ/多角形/マグネット選択ツール

ADOBE TV:なげなわツールでの修正

クイック選択、自動選択ツール

  • 自動選択ツール:クリックした部分の色と近い色を自動的に選択される。
  • クイック選択ツール:選択したい部分をドラックして囲むと自動的に選択される。

写真の中の色や境界に応じて、自動的に選択範囲を取得する方法です。自分で商品撮影などをする場合は背景を単色の紙や布などを敷いておくことで簡単にこれらのツールで選択範囲を取得することができます。

クイック選択、自動選択ツールのポイント

  • 自動選択ツールは「許容値(0~255)」の数字によってクリックした色と近い色を選択します。
  • 自動選択ツールはShiftクリックで選択範囲を追加、Altクリックで削除します。
  • 写真の内容によってはオブジェクトをクリック、もしくは背景をクリックして反転など行います。
  • クイック選択ツールは「境界線を調整」とセットで使用する場合が多いです。

背景を選択してから選択範囲を反転させるにはCtrl+Shift+Iで「選択範囲の反転」を覚えましょう。

参考になるサイト・動画

ADOBE TV:自動/クイック選択ツール

ADOBE TV:選択範囲の調整

Photoshop Help / クイック選択ツールの使用方法 (Photoshop CC)

ペンツール

ペンツールはイラストレーターのパス機能と同じものでパスを取得して、そこから選択範囲を作成する方法です。

昔からパス取りの基本として使われていますが、エッジの堅い直線、曲線で構成される被写体などはペンツールを使ったほうがやりやすいですと言われています。髪の毛やふわっとした被写体にはあまり向いていません。

ペンツール内に他に複数ありますが、基本的にペンツールを持った状態で後はショートカットを使うと作業効率が上がりますので是非覚えましょう。

ペンツールの覚えたいショートカット

  • ペンツールを持った状態で「Ctrlキー」を押している間は「パス選択ツール(白矢印)」となりパスを個別にいじれますので一度打ったパスの位置を移動などの調整するのに役立ちます。
  • ペンツールを持った状態で「Altキー」を押している間は「アンカーポイント切り替えツール」となりアンカーポイントからハンドルの出し入れや調整などを行うことができます。
  • ペンツールを持った状態で、すでに打ったアンカーポイントにマウスカーソルを持ってくると「アンカーポイントの削除」ツールとなり、クリックでアンカーポイントを削除できます。
  • ペンツールを持った状態で、アンカーポイント間の線の部分にマウスカーソルを持ってくると「アンカーポイントの追加」ツールとなり、クリックでアンカーポイントを追加できます。

p8_3

これらを覚えるだけでペンツール関連はツールを移動しないで作業できるので是非覚えましょう。これはIllustaratorでも同様です。

ペンツールのポイント

  • 取得したい選択範囲の1~2px内側にパスを取るようにする
  • アンチエイリアス部分などは選択範囲を作成する際にぼかしなどで調整
  • 取得したパスは忘れずに「パスの保存」を行う
  • パスパレット内のパスをAltクリックで選択範囲を作成

パスを作成したら、「パスパレット」を見ると「作業用パス」となっているので、ダブルクリックで「パスを保存」してあげます。

取得したパスから選択範囲を作成するには「パスを選択範囲として読み込む」をクリックするか、パスをCtrlクリックで選択範囲を作成することができます。

参考になるサイト・動画

Intuos×Photoshop (人物の切り抜き1 ペンツールを使った選択範囲の作成)Youtube動画

Photoshopでペンツールを使って切り抜きや選択範囲作成をする方法

色域指定

ツールではないですが、メニューバーの「選択範囲」→「色域指定」から設定します。

「色域指定」は、自動選択ツールに似ていますが、クリックした後に許容量を決めて近い色を選択範囲としてくれます。許容値を最大に使ってしまった場合はShiftキーをさらに別の色を追加して許容値を増やしていくこともできるので、最初に許容値を決める自動選択ツールよりこちらの方が便利な場合が多いです。

選択したい部分をクリックして「許容値」のスライダーをあげると選択範囲部分が変化します。画像下の「選択範囲」と「画像を表示」を切り替えることで選択範囲を白黒での表示と実際の画像とを切り替えることができます。

白い部分が選択範囲となり黒が選択範囲外となりますが、グレーなどは半透明で選択範囲が表示されてしまうので注意しましょう。

色域指定のポイント

  • 白が選択された部分、黒が選択されない部分になります。
  • 写真の内容によってはオブジェクトをクリック、もしくは背景をクリックなど取得しやすい方の選択範囲を作成して反転など行います。
  • 一度で取りきれない場合はShiftクリックで追加、削除したい場合はAltクリックで削除します。

参考になるサイト・動画

Photoshop 色調補正ゼミナール | 色域指定を使って選択範囲を作る | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO

選択範囲の微調整などを行える便利で覚えたい機能2つ

選択範囲は素材の写真の中の色のコントラストや取得したい選択範囲は毎回違うのでツールだけで一発でうまく取れない場合が多くあります。

ここからは、いままででてきたツールなどによって取得した選択範囲をより細かく取得したり、自動的に調整したりできる便利な機能の「クイックマスク」と「境界線の調整」の2つ紹介します。

これらを使うことでさらに細かく、正確に選択範囲を取ることができます。

クイックマスク

クイックマスクはブラシを使って選択範囲の微調整を行う方法です。

各種ツールを使って選択範囲を使っても微妙に残ってしまう部分などをブラシを使って調整します。

下記のサンプルでは「マグネット選択ツール」で選択範囲を取りました。手の中の部分の空の部分はAltキーを押しながら「マグネット選択ツール」で削除しました。
クイックマスクにすると部分的にはみ出した部分などが見えます。

クイックマスクでは赤い部分が選択されている箇所になります。これをブラシの黒と白で選択範囲の調整ができます。

サンプルでは選択範囲にしたい箇所を黒に、したくない箇所を白で塗ります。

作業は拡大して行い「X」キーで色の反転。Spaceキーで手のひらツールとなるので見える範囲を変更して作業を行います。

選択範囲を取得したけど細かい部分の微調整にクイックマスクは便利です。

ぜひ覚えたいブラシサイズを変更をするショートカット

クリックマスクやレイヤーマスク内の調整などはブラシツールを使用しますが、頻繁にサイズを変えるのにメニューから変更するのは面倒なのでブラシサイズ変更のショートカットを覚えましょう。

  • ブラシのサイズを変更:Altキーを押しながら右マウスをクリックした状態で左右にドラック
  • ブラシのかたさ(ボケ足)を変更:Altキーを押しながら右マウスをクリックした状態で上下にドラック

参考になるサイト・動画

ADOBE Tutorials クイックマスクモードでの選択範囲の微調整

境界線を調整

以前は「抽出」というツールで、動物の毛や髪の毛など細かい部分を取得していましたが、さらにパワーアップしてCS5以降では「境界線を調整」という機能になりました。

選択範囲がある状態で、選択系のツールを持つと上部メニューに「境界線を調整」というボタンがあるのでクリックで調整画面が開きます。

使い方についてはこちらに細かく紹介されていました。

参考になるサイト・動画

Photoshop CS5 の新機能「境界線を調整」の強化

「境界線を調整」については他にもたくさんの記事がありますので別の記事で参考サイトをまとめたいと思います。

アルファチャンネルに選択範囲を保存しよう

さまざまな手法で取得した選択範囲ですが、解除してしまうと再度取得しなくてはなりません。

そこで取得した選択範囲は「アルファチャンネル」に保存しましょう。アルファチャンネルは「チャンネル」パネルの中に選択範囲を保存することができるものです。

一昔前はPhotoshopで一番重要な機能は「アルファチャンネル」と言われていましたし、動画編集のAfterEffectsやPremireなどでも画像合成に「アルファチャンネル」を使用しますので是非使い方を覚えましょう。

選択範囲をアルファチャンネルへ保存

取得した選択範囲をアルファチャンネルへ保存するには、選択範囲がある状態で「チャンネルパネル」を開いて右下のボタンの左から2番目の「選択範囲をチャンネルとして保存」をクリックすることでアルファチャンネルとして選択範囲が保存れます。

こうすることで選択範囲を解除してもいつでも呼び出すことができます。

アルファチャンネルから選択範囲を作成

登録したアルファチャンネルから選択範囲を呼び出す方法は、右下のボタンの一番左の「チャンネルを選択範囲として読み込む」をクリックか、アルファチャンネルを「Ctrlクリック」することで選択範囲として呼び出すことができます。

選択範囲を単体で呼び出して使ったり、選択範囲同士を追加して別の選択範囲として使用することもできます。

苦労した選択範囲は再度使うことも考えて保存しておく癖を付けましょう。

参考になるサイト・動画

ADOBE TV:アルファチャンネル

Photoshop Help / アルファチャンネルの使用方法 (Photoshop CC)

Adobe Community Help / 選択範囲とアルファチャンネルマスクの保存

Photoshop関連のショート関連の記事

以前ブログでまとめたPhotoshopの作業効率がアップするショートカット関連の記事もあわせてご覧ください。

ざっくりですが、Photoshopで選択範囲を取得するツールなどをまとめてみましたが、それぞれの特徴を理解すると最適な選択範囲の取得方法が見つけていきましょう!

この記事を書いた人

著者 : ハヤシユタカ

2001年、有限会社ムーニーワークスを設立。WEB制作の他、書籍執筆、セミナー講演、企業研修などを行う。また、クリエイター育成機関デジタルハリウッドでは1999年より講師として本科WEBデザイナーコースやデジタルデザインコースを担当。 詳しいプロフィールはこちら

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